小倉発祥丸腸とは

市制50周年を迎えた北九州市の魅力の一つに「食」があります。2013年10月、小倉都心部で「魅力発信!北九州フェア」が開催され多くの人で賑わいました。中でも人気だったのが「丸腸の串焼き」です。今や全国的に注目されている「丸腸」。この「丸腸」を食べる食文化の発祥は、実は小倉と言われていることをご存知でしょうか。

小倉で古くから食べられていた丸腸


牛の小腸は、もともと外側に脂が付いています。丸腸とは、これを切り開かずにそのまま裏返して、脂を中に閉じ込めたもののことです。
北九州市の中でも小倉北区は数多くの焼肉店が軒を連ねる焼肉激戦区。そのほとんどの店で丸腸を食べることができます。近年のホルモンブームで、にわかに注目を浴びるようになった丸腸ですが、小倉では早くから代表的なホルモンとして人々に愛され親しまれてきました。
そもそも、今日の形の焼肉店が登場したのは戦後になってからのことです。今はもうありませんが、現在の小倉北区の中銀通りで昭和30年代に開業したという焼肉店では、当時から従業員のまかない食として丸腸を食べていたそうです。裏メニューとして常連客に出すこともあったとか。つまり、少なくとも小倉では昭和30年代から丸腸が食べられていたことになります。その後、昭和40年代に入ると次第に焼肉店が増えてきますが、開店当初から丸腸がメニューにあったという店は少なくありません。
このころ、九州一円と四国の香川・愛媛の食肉センターを回ったという小倉のホルモン関係者によると、「北九州以外の地域のセンターでは丸腸のことを知らなかった。丸腸にしてどうやって食べるのか、中に米を入れるのかと聞かれた」そうです。

丸腸を食べる食文化が小倉で根付いた理由とは

残念ながら文献等は残っていないため、丸腸の起源を特定することはできませんが、焼肉文化が根付いている小倉では、今日の丸腸ブームが起きるずいぶん以前から当たり前のように丸腸を食べる食文化がありました。つまり、小倉は「丸腸を食べる食文化発祥の地の一つ」と言ってもいいでしょう。           
小倉には古くから食肉センターがあり、新鮮なホルモンが手に入りました。また、かつては炭鉱もあった労働者の多いまちで、滋養強壮のためにホルモンが好んで食べられていました。小倉で丸腸を食べる食文化が根付いた背景には、こうしたいくつかの条件が重なり合っているようです。ただ、焼きうどん、アーケード、競輪など数多くの「小倉発祥」が物語っているように、小倉っ子の進取の気性とも無関係ではなさそうです。

低カロリーでコラーゲン豊富!栄養価も高い注目の食材!!


丸腸はカロリーが低く、しかもコラーゲンが豊富なため、女性にも人気のホルモンです。しかも、かむと甘味のある極上の脂が口の中に広がり、プリプリでジューシーなおいしさが楽しめます。これは小腸を裏返して中に脂を閉じ込めたからこそ味わえる、独特の食感と言えるでしょう。
丸腸は、表面の皮の部分に焦げ目が付き、皮が縮んで中から脂が出てきてリボン状になった状態が食べごろ。焼きすぎないように、タイミングを見極めるのがポイントです。    
焼くだけでなく、鍋や唐揚げ、焼きうどんなど、多彩な丸腸メニューが楽しめるのも、丸腸を食べる食文化発祥の地・小倉の魅力です。

丸腸のおいしさを多くの人に知ってもらいたい

小倉の老舗焼肉店の一つ「龍園」の壺山氏に、丸腸について聞きました。


小倉では、焼肉店や飲食店でいろいろな丸腸の食べ方が楽しめます。同じ丸腸でも店独自の味や個性があるので、ぜひ食べ比べてみてください。今後も小倉の焼肉店に横串を刺すような商品として商品開発も進めながら、丸腸を新しい小倉の名物にしていきたいですね。